本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

「家族葬だから安い」とは限らない。国民生活センターの相談事例

そのとき

「家族葬だから安い」と思っていませんか。

これは私が考えた言葉ではありません。国民生活センターが2026年6月3日に公表した資料の題名です。それだけ、この思い込みでのトラブルが多いということだと思います。

この記事は、その公表資料をもとに整理しています。

相談は年間900件前後、半数以上が「料金が高い」

国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられる葬儀サービスの相談は増加傾向で、年間900件前後です。

年度相談件数うち「高価格・料金」の割合
2019年度632件33.2%
2020年度686件43.1%
2021年度800件50.0%
2022年度951件50.9%
2023年度886件50.3%
2024年度978件49.4%
2025年度917件52.6%

件数も割合も増えています。 2019年度は料金の相談が3割ほどでしたが、2025年度は半数を超えました

背景として、2024年の死亡数は約161万人で、厚生労働省が調査を始めて以来もっとも多くなっています。葬儀の件数自体が増えていると考えられる、と資料には書かれています。

注意: ここでの「高価格・料金」は、相談した人が「高い」と申し出たものを数えたものです。実際にその金額が高いかどうかを、誰かが判定したものではありません。

実際の相談事例

公表資料に載っている事例です。

  • ネット広告で家族葬を扱う葬儀社を見つけて依頼したところ、高額な契約となった
  • 「一日葬は約30万円」というチラシを見て依頼したところ、約80万円の契約になった。料金に含まれるものもチラシと違っていて納得できない
  • 「家族葬50万円」という表示を見て依頼したところ、高額なプランを案内された。見積書には明細がなく、追加費用も発生したため、総額200万円を超えた

3つとも、「表示されていた金額」と「実際に払う金額」が違っています。

なぜ「家族葬だから安い」とは限らないのか

家族葬・一日葬・直葬といった言葉は、参列する人の範囲や、儀式の日数を表しています。

「何が料金に含まれるか」を決める言葉ではありません。

同じ「家族葬」でも、会社によって、また選ぶプランによって、含まれるものは変わります。ネット広告やチラシの**「○万円から」**という表示は、多くの場合いちばん少ない組み合わせの金額です。そこに何を足していくかで、総額は変わります。

国民生活センターは、トラブルの背景として葬儀の形が多様になり、費用の項目も複雑になっていることを挙げています。加えて、親しい人との死別という状況で冷静な対応ができないことも理由に挙げられています。

ここは、私自身もそうでした。予算が妥当かどうかを考える余裕は、まったくありませんでした父と母を見送って、準備しておけばよかったと思ったこと)。

国民生活センターのアドバイス

公表資料に書かれている4点です。

  1. 葬儀の希望やイメージを考えて情報収集をしましょう
  2. 葬儀社との打ち合わせは、親族や第三者など複数で行いましょう
  3. 見積書は必ず受領し、内容(明細)をよく確認しましょう
  4. 不安に思った場合やトラブルが生じた場合には、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう(消費者ホットライン 188

2番目は、ひとりで決めないということです。 悲しんでいるときに、金額の判断まで一人で背負わなくて構いません。

3番目の「明細」がとくに大事です。 事例の3つ目は、見積書に明細がなかったことが総額200万円超につながっています。

見積書をもらったら見るところ

「明細を確認する」と言われても、何を見ればいいのか分かりにくいと思います。最低限、次のことを葬儀社に聞いてください。

聞くことなぜ
この金額に含まれていないものは何か「含まれるもの」より「含まれないもの」を聞くほうが早い
追加費用が発生するのはどんなときか参列者が増えた、日程が延びた、などで変わることがある
火葬場や式場の使用料は含まれているか別に支払うことがある
飲食や返礼品は、人数でどう変わるか人数が確定していない段階では読めない
お布施は含まれるのかお寺に渡すものは、葬儀社の料金とは別のことが多い

そして、その場で決めなければならないと言われたら、いったん止めてください。 決めるのは自分たちです。

時間がないときに読むことになる、という問題

この記事の内容は、落ち着いているときに読めば当たり前のことばかりです。

ただ、実際にこれが必要になるのは、病院から「今日明日で決めてください」と言われている場面です。そのときに見積書を読み比べるのは、現実的ではありません。

だから、今この記事を読んでいるなら、それがいちばんよいタイミングです。

決めなくて構いません。選択肢を知っているだけで、そのときの判断が変わります。

出典


この記事は公表されている資料をもとに整理したものです。個別のトラブルについては、消費者ホットライン188(局番なし)にご相談ください。